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期間限定非公式 小説投下ブログ。黄色い双子への愛と緑の二人への愛であふれてます。 R-18になりました。
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 Mーあさんとの茶会で、お話した時に、レンの浮気疑惑話を書く、ということを聞き、

 便乗してみました。

 MーあさんとこのONLY YOUを見てから見たほうがいいと思います。



 ヘタレンです。


 題名は、すいません。思いつかないので思いついたら書いておきます。



「遅いっ!」
「ご、ごめん、なさい……」
 リンの頭の白いリボンが、鬼の角に見えた。
「50分よ50分! ほんっと信じられない! 待たせるなんて論外! どーゆー神経してるわけっ?」
 先を歩きながら、リンの口は止まらない。
「だから、ごめんって……」
「あたしナンパされてすっごく困ってたんだからね! あの“レン”が助けてくれたからよかったけど」
 あの“レン”。
 僕が待ち合わせについた時、リンは“レン”と楽しそうに談笑してた。密着度の高い格好で。
「あんなにひっつく必要ないのに」
「ん? なんか言った?」
 リンがくるりとふり返って僕を見た。
「……なんでもありません」
 リンに見つからないように、こっそりため息をつく。
 僕の思いは無視されるに決まってるのだ。

 買い物を続け、リンの機嫌もだいぶなおってきた頃。
「レンく~ん!」
 黄色い声に首を回せば、白いリボンをぴょこぴょこさせて存在を表す“リン”がいた。
「さっきはありがとねっ」
 数時間前に出会った“リン”だった。
 出会った時、迷子になっていた彼女はすごく女の子らしい子で。よく笑い、そしてよく泣いた。
「おかげさまで、楽しい休日を満喫中だよっ」
 ふと、後ろからの視線に気づいた。が、
「もう迷ってない?」
 僕はにっこり笑って“リン”に話しかけた。
 リンは、どうせやきもちなんかやいてくれないんだろうけど。
 さっきのおかえしだ。
「だいじょーぶっ! そこで待っててくれてるもんっ」
 へへー、と“リン”は笑う。
 いいな。うちのリンも、このくらい無邪気に笑ってくれればいいのに。
「じゃあね。今日はほんとにありがとねっ」
 そう言って、“リン”は去って行った。
 あのリンはすっごくかわいい子だけど、無意識に人をふりまわす小悪魔な子だった。さっきもそれであれよあれよという間に50分の遅刻だったし。彼女の“レン”は振り回されてるんだろうなぁ、と思う。
 うちのリンはあんなにかわいらしくないけど、でも、
 ふりかえる。けど、そこにリンはいなかった。
「え、あれ? リン?」
 あたりを見回すと、それっぽいリボンが人波の間に見えた。
「リン!」
 あわてて後を追う。
 いつから隣にいなかったんだろう。リンとは結構な距離がある。
「リ」
 呼び止めようとした声は、途中で止まった。
 リンに一人の男が近寄ってきた。
 ナンパされて……と、リンが言っていたことを思い出す。
 全速力で走り、二人の間にとびこんで叫んだ。
「僕のリンに触るな!」
「ああ゛っ?」
 凄まれて、ひいっとなる。
 怖い人だったあっ!
「なんだよお前!」
「いや、あの、その」
 だらだらと冷や汗が流れる。どうしよう。なんの考えもなしにとびこんでしまった。
 とりあえずリンを背中にかばう。
「なんとか言えや!」
 男の手がのびてくる。
 ああ、殴られる。
「あたしのレンに手ぇ出すなぁっ!」
 閉じかけた視界の下のほうで、リンの足が蹴りあがるのが見えた。
「!!!!!」
 男が股間を押さえてうずくまる。
 痛い。あれは痛いよリン。
「ぼさっとしてないで走る!」
 リンの一喝で、僕は手をひかれながら走った。


 どのくらい走ったかわからなくなったころ、僕たちはどちらともなく足をとめた。
 上がった息を整えながらこちらに背を向けているリンに近づく。
「リン?」
「あたし、まだ怒ってるんですけどっ!」
 とげのような声だった。
「ご、ごめ……」
 ん、と同時に、リンがくるっとふりかえった。
「ばーかっばーかっ! レンのばーかっ」
 いきなりなんだ、ときょとんとしていたら、ぷくっと頬をふくらせたリンがふんっと鼻をならした。
「でも、ま、助けてくれたしね。ぜんぜんかっこよくなかったけど」
 かっこよくなかった、という言葉にしょげていると、リンの笑顔が目と鼻の距離にあって、僕は慌てた。
 だって、近すぎる。家ならまだしも、ここは外なのに。
「だから、ここでちゅーしてくれたら許してあげるっ」
「ちゅっ!?」
 思わず声が裏返った。
「そ。ね、早く」
 目を閉じたままのリンの顔が近づいてくる。
 僕は慌てて周りを見た。大通りではないけれど、それなりに人通りのある道の端。
 みんなこちらを見ているわけではないけれど、こんなところでキスでもしたら、注目を浴びるに決まっている。
「……早くしないと、許してあげなくなるよ」
 そう言うリンの口は、明らかに笑っていて、
 絶対この子たのしんでる、と思いながらも、

 僕に選択肢はない。

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