金色ぱらり
部屋の中で、獣みたいな息が聞こえていた。
レンの体温を直に感じながら、首に回していた手を上にずらす。
手探りで掴んだそれを、一思いに解いた。
月明かりに照らされた金色がぱらりと降ってくる。
「? なに?」
動くのを止めてレンがこちらを見る。
「あたし、レンの髪好き」
少しくせのある髪を指ですいて、絡ませていると、レンがため息と共にもらした。
「ちょっと長くて邪魔なんだけどね。短くしたら楽なんだろうけど」
短く、という呟きに、あたしはレンにすがりついた。
「だめ! 切っちゃだめ! だって、切っちゃったら」
言葉を続ける前に、レンの手があたしの髪を撫でた。
「そんなに必死にならなくても、切れないし、切らないよ」
髪にキスが一つ。
「リンと違う髪の長さになんかしないから、安心して」
優しくレンが笑う。
「大好きだよ、リン」
「私も、レンが大好き」
もう一度腕を伸ばし、レンの首に抱きついた。
「ずっとずっと、一瞬にいてね」
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