クラス替え
新学期初日。
登校一番になんの心配もなく見た掲示板の結果に、
驚きで、もう言葉も出なかった。
「あー、違うクラスだ」
あっけらかんと君は言う。
「初めてだよね。クラス別れるの。なんか新鮮かも」
新鮮?
そんなこと言ってる場合じゃないだろクラス違うんだぞ?
これから一年も違うクラス……まじかよおい。
「レン?」
「あ? ああ、初めて、だな」
心配だ……すげー心配だ。
今まで必死にこいつに近寄る虫(勝手に)排除して、(勝手に)彼氏面してたのにクラスが違ったらそんなこともできなくなる。
一年、一年も違うクラスかよ。
「レーンー。ねえ、聞いてる?」
顔をのぞき込んできたリンと目が合った。
近い近いちかい!
「な、なんだよ!」
慌てて後ずさった。
「だからー、違うクラスだけどすぐ隣のクラスだから、よかったねって言ってるの」
「え」
掲示板を見れば、確かにクラスは違えどすぐ隣のクラスにリンの名前があった。
「あれなら、いろんな行事の時、一緒になれる可能性あるよね」
へへ、とリンは笑う。
ああ、かわいいなあ、もう。
こんなにかわいいんだから絶対他にも狙ってくる男いるんだよな……実際いたし。
心配だ。クラス違うから他の奴がアピールしてても気づけない。
どうすればいいんだよ、オレ。
告白……するか?
そうすれば、堂々と彼氏面できるし、今より一緒にいられる時間増えるかもだし。
でも、クラス違うんだから、ふられたらもう絶縁状態になる……か?
いや、クラス違うからこそ、気まずい感じにはならずにすむんじゃねえ?
「ねえ、レン。さっきからなに考えてんの?」
はっと気づくとまたリンの顔が近くに来ていた。
やばいやばい!
「や、あの」
「リンちゃん!」
どこから出てきたのか、見知らぬ女がリンに走りより、その腕をとった。
「リンちゃん、同じクラスだよね! 一緒に教室行こう!」
「え、あ、うん……じゃあね、レン!」
オレが返事をする前に、リンは知らない女に連れ攫われた。
掲示板の前に一人取り残され、呆然と考える。
やっぱ、告るしかないんじゃないの? オレ。
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はくしゅ
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