虫さされを吸うってどうなの
「あ!」
二人っきりの部屋、唐突にあがった高い声に、レンは隣に座っていたリンに顔を向けた。
「どうしたの?」
聞けば、リンは自分の太ももの内側を掻いている。
「なんかかゆいって思ってたら、虫にさされてた! も~こんなとこ~」
必死に太ももを掻くリンの手をレンは掴んでそこから引き離した。
「掻いたらよけいかゆくなるよ」
レンはベッドを降り、床に座り込んだ。
「どこ? 見せて」
言いながらリンの膝に手をかけ、レンは太ももの内側をのぞき込む。
リンの太もも、ちょうどズボンの裾があるあたりに、赤く腫れたそれはあった。
「これ?」
ズボンの裾を指でずらし、赤く腫れたそこをなぞる。
「そ、れ……」
リンの太ももを見るレンには、リンの表情がどうなっているかなんて見えていない。
「まだ新しいっぽいね。吸ったら、毒出るかな」
「え?」
すうって? とリンが聞く前に、レンが太ももに口を付けた。
「っ!」
リンの体が固まった。
吸ったはいいが、毒が出たかはわからず、首をかしげたレンは顔を上げたところで、やっとそれに気づいた。
「リン、顔赤いよ?」
潤んだ目で上から見てくるリンににやっと笑いかけ、レンは視線を太ももに戻した。
膝にかけていた手をつうっと移動させて太ももをなであげる。
「!」
リンの体が震える。
その反応にまた満足そうに笑うと、レンは太ももに唇を寄せた。
先ほどよりも赤く染まったそこに一度キスをし、そしてべろりと舐めあげる。
「ぁっ」
赤いそこから膝の先まで、ゆっくり舌を這わせる。
「や、れぇん」
「……なに?」
潤みに潤んだ両目がレンを見ていた。赤い唇がなにか言いたげに震える。
けれど、レンはそこから視線をそらした。気づかないふりをして立ち上がる。
「薬、持ってこようか」
そう背を向けて歩こうとしたレンの手を、リンが捕まえた。
手はそのまま引かれ、レンはベッドに転がった。その上にリンが乗る。
「薬なんて、もういいからぁっ」
唇が、ふさがれた。
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