マシュマロ
自室のベッドの上でリンが菓子袋を抱えもぐもぐと口を動かしているものだから、
レンは首をかしげ近づいた。
「なに、それ」
にっ、とリンが笑う。
「マシュマロ。カイト兄のとこからくすねて来た」
食べる? と、リンが掴んだそれを、大人しく口を開いて受け取る。
「うまいじゃん」
「でしょ」
リンの隣に腰を落とし、口を開くと、マシュマロがもう一つ投げ込まれた。
柔らかい感触が舌の上でとけていく。
「ね、レン。マシュマロっていえばさ」
横を見ればリンがこっちをじっと見ていた。
「唇はマシュマロの感触、ってよく言わない?」
聞いたことがある気がした。
が、リンの上目遣いになにか嫌な予感がした。
「……まぁ、言うかもね」
リンの目がきらりと光って見えたのは見間違いじゃないと思う。
「ね、レン」
リンが身を寄せてきた。
「レンはどう思う?」
首をかしげた小悪魔が近づいてくる。
「どうおもう、って」
「マシュマロとリンの唇、どっちがやわらかいと思う?」
身を引いても、リンは追ってくる。
半分リンに押し倒された格好になる頃に、レンはため息をついた。
数センチ先の唇に自分ので軽く触れる。
「ど?」
どう、と聞かれても。
「そりゃ、柔らかいよ」
「なにそれ」
リンの顔がゆがんだ。どうやら返答が気にくわなかったらしい。
「ちゃんと確かめて」
もう完全に胸の上に乗ってせがむリンにレンは内心でため息をついた。
どう見てもキスだけですむ雰囲気じゃない。
新しい曲の譜読みしたかったのにな、と思いながら、レンはリンを引き寄せた。
角度を変えながら唇を合わせ、その奥の、もっと柔らかくて熱を持ったものに触れる。
顔を離した時にはリンの目はとろんとして完成していた。
「もっと」
首に手を回し、レンの胸の上でリンはせがむ。
「ね、もっとして」
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はくしゅ
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