拍手お礼(4/1~5/9)
「ねえ……レンってば」
服をひっぱっても、返ってくるのは生半可な返事。
「レーンー」
こりずに不満げな声を出すと、レンがやっとこっちを見てくれた。
「これやるから、少し待って」
出されたのはみかん。私たちの、大好物。
でも
「そんなものいらない」
なぜか涙がにじんだ。
(素直になれない五つの言葉より そんなものいらない)
ただ、こっちを見てほしいだけ。
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ずっとずっと、一緒の私たち。
繋いだ手は絡み合って。
だからさよならなんて怖くない。
だってそんな日来ないもの。
(素直になれない5つの言葉より さよならなんて怖くない)
敵なんてみんな壊してあげる。
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笑う。笑う。あなたが笑う。
私じゃない子の前で。
やめて。やめて。それならいっそ、
あなたの笑顔なんてみたくない。
(素直になれない5つの言葉より 笑顔なんてみたくない)
私以外に見せちゃだめ。
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「リン、オレ」
いつになく、真剣な君の顔。
「オレ、オレ、リンが」
小さくすぼめられた口を、私はふさいだ。
好きだなんて、聞きたくない。
(素直になれない5つの言葉より 好きだなんて聞きたくない)
だって、言葉にしたらそれで終わってしまいそうで。
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「ごめん。ほんとごめん」
そう言うあなたに背を向けながら見る窓の外はなぜか歪んでいて。
「なんで謝るの」
「だって、リン怒ってる」
「怒ってない」
「怒ってるよ」
またごめん、という言葉と共にあなたの足音が聞こえて、私の体は固くなる。
「来ないで」
近づかないで。
そうよ。
「レンなんか、だいっきらい」
(素直になれない5つの言葉より あなたなんかだいきらい)
ウソ。大好き。
だからこんなに悲しいの。
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以上でした。
お気に召すものはございましたでしょうか……
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