誰もいない教室で
グラウンドから野球部のかけ声が聞こえてくる。
「ちょ、レン!」
「ん?」
どうしたの? とレンは何事もないように言う。
「どうしたのじゃなくて!」
リンは慌ててレンの手から自分の制服を引き剥がした。
脱がされかけたそれを素早く着直す。
「こんなとこで脱がすなんてなに考えてんのよ!」
「だってそういう雰囲気だったし」
悪びれた様子もないレンにリンは頭にきてつめよった。
「雰囲気もなにも、ここ学校でしょ!」
リンから目を反らし、レンはこれ見よがしにため息をつく。
「さっきまでのりのりだったくせに」
「のっ!」
レンの言葉にリンは言葉をつまらせた。
「それはっ……だって」
「だって、なに?」
そう聞くレンの口元にはいやらしい笑みがあり、リンはそれを真っ赤になりながらにらみつける。
「言わなきゃまた脱がすよ」
言い終わらないうちにレンが制服の襟に手をかけたものだから、リンは慌てて口を開いた。
「キス……だけだと」
思ったから、と言うリンはうつむいていて、髪の間から覗く耳は真っ赤に染まっている。
そんなリンの顎をつかみ、上を向かせるとレンは素早く唇を奪った。
「キスだけなら、いいんだね」
レンの唇が頬を、うなじを滑り、制服の間から際どいところに侵入しはじめたため、リンはさらに真っ赤になって叫んだ。
「脱がすなって言ってるでしょばかっ!」
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はくしゅ
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