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期間限定非公式 小説投下ブログ。黄色い双子への愛と緑の二人への愛であふれてます。 R-18になりました。
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 書かせていただいたもの。


 学パロです。


 
 
 衣替えの試練




「あつー!」
 朝の通学路のど真ん中で少女が叫んだ。
「言うな。もっと熱くなるから……」
 隣を歩く少年も額に汗を浮かべていた。
「服が重いー!!」
 少女がなおも叫ぶ。
 秋の初めにしては日光の強いその日、学校に向かう彼らが着ているのは冬服だ。
「なんでこんな生地の厚いやつ着てかなきゃいけないのよー!」
「昼の地獄が想像できて嫌だな……」
 朝でこの気温なんだから……と少年が呟く。


 彼の予想は的中し、昼間の教室は夏の如く熱くなった。
 体育上がりで尚更熱く感じ、教室にいる男子生徒達は皆学ランを脱ぎ、窓を全開にして涼んでいた。
 友人達と同じく、レンも上半身をTシャツ一枚にして、窓から入ってくる風を感じていた時だった。
 がやがやと、廊下から女子生徒達が帰ってくる音を小耳に挟みながらも、窓から顔を出したままだったため、レンは知るのが遅れた。

 まず、男子達のうれしそうなどよめきが聞こえた。
「レンただいま~」
 リンの声はその次だった。
「おう、お疲れ」
 そう良いながら首を回して背後を見たレンは、
 固まった。

「何?」
 首をかしげるリンは、
 セーラー服を着てなかった。

 正確には、
 上半身は余計な肩紐を見せた、キャミソール一枚。
 下半身は丈をこれでもか、というほど短くしたスカート。

 だれかが口笛を吹いた。
「おまっ! ばか!」
 とっさに傍にあった自分の学ランを掴み、リンに頭からかぶせた。
 暴れるリンをつかみ、そのまま人目のない廊下までひきずって行く。

「なにやんて格好してんだよあほ!」
 頭から学ランをはぎとり、リンはきっ、とレンを睨みつける。
「なによ! 熱いんだもんしょうがないでしょ!」
「しょうがなくねえ! ここ学校だぞなに考えてんだ!」
「暑いのっ! あんたたちだって学ラン脱いでるでしょ!」
「俺らは男だからいいんだよ! とにかく服着ろ!」
「やだ! あたしだけじゃないもん! みんなやってるもん!」
「みんなやっててもお前はだめだ!」
「なんで!」
「……他の男に見せたくないんだよ!」

 一際大きい声が上がった。
 驚きに目を丸くしていたリンが拗ねた顔をしてうつむく。
「でも、暑いんだもん」
「わかってる。けど、頼むから服着てくれ。俺も学ラン着るから」
 本気で頼むレンにリンは唸る。
「……帰りにアイス」
「奢る。奢るから頼む!」
 頭を下げるレンにリンはため息をひとつついた。
「わかった」
 リンの答えにレンがほっと一息つく。
 その唇を、リンのそれがかすめた。

「アイス絶対ね!」
 間近で請われ、レンは笑った。
「二つぐらい、買ってやるよ」




 夕暮れの公園に、汗だくの二人が並んでアイスを食べる姿があった。




















 ぽちっとおしていただけたら光栄ですはくしゅ

 
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