昨日の夜に見つけた動画。
サビのとこの合いの手が大好き。
今日、バイトの時間にお客が一人しか来ないのを良いことに妄想爆発させてました。
店長、ごめんなさい。私具合悪くないですただ妄想止まんなくて下向いてただけですほんとごめんなさい。
ホントは見やすいように改行するのが好きなんですが(本文の話)、改行するとすんげえ長くなってしまうので、そのままです。
見にくいかもしれません。
顔の良く似た召使いなんて、身代わりになるためにいるに決まってるじゃない!
悪ノ娘
リンゴーン、と高らかに鐘の音が響く。
処刑台にくくりつけられたその者はにこやかに言った。
「あら、おやつの時間だわ」
先日まで大臣だった男からの報告を受けた彼女は、はっ、と鼻で笑った。
「あの男。この私をなんだと思ってるの」
そう言いながら窓の外を見る彼女の頬には、一滴の涙が光っていた。
「姫! 反乱者たちが城壁を突破致しました!」
その言葉に姫は息を飲んだ。
「何をしてるの! この役立たずっ!」
怒りの余り彼女は手に持っていた扇を部下に投げつける。
「さっさと奴らを捕らえなさいっ! 一人残らず首をはねてやるんだから!」
「姫」
大臣が一人、彼女の足元に膝まづいた。鋭い目で睨みつけられながらも彼は口を開いた。
「これ以上の籠城は無理かと」
「無理? お前の意見など聞いてないわ!」
「お逃げください姫!」
大臣が首をかけて言ったその言葉に、彼女は固まった。
「お前……今なんて言った? 私、耳がおかしくなったようよ」
氷の如く冷たい視線を突き刺され、大臣は体を震わせながら口を開いた。
「お逃げくださ」
最後まで言わないうちに彼は蹴りとばされ、絨毯の上を転がった。
「お前! 逃げろと言った!? 王女であるこの私に、逃げろと!?」
烈火の如く怒る姫を前に、部下達が頭を垂れたまま黙りこくる中、ボーイソプラノの声はよく響いた。
「お逃げください、姫」
視線の先には、召使いがいた。
彼女は顔の良く似た彼にかけよる。
「お前! 今までどこに行っていたの! 私のドレスなんか着て、なにをして」
「お逃げください。姫」
自分の言葉を遮ってまで言われ、彼女は息を呑む。
「お前までっ!」
振り上げた手は、綺麗な弧を描いて彼の頬とらえた。
「お前まで、私に逃げろと言うのね!」
「はい」
叩かれた頬を押さえ、彼は静かに言う。
「……ご無礼を、お許しください」
彼女が眉を寄せる間に、彼は彼女に肉薄した。
そして。
唇をふさがれ、彼女は目を見開いた。
折れられるのではないかと思うぐらい力を入れて抱きしめられ、くぐもった悲鳴が上がる。
やっと開放されても、姫は半ば放心状態だった。そんな彼女に彼は微笑む。
「逃げて、生き延びてください、姫。それだけが、私の願いです」
部下達の動きは素早かった。
抵抗する間を与えることなく姫の体を縛りあげ、さるぐつわをかませると軽い体を背負いあげ、地下道に逃げ込んだ。
彼女は、彼の名を呼ぶこともできなかった。
赤い髪の女を先頭に部屋になだれ込んできた男達を、その者は王座から見下して笑い、言った。
「この、無礼者」
「新国王様ばんざーい!」
広場は新たな国王を慕う国民達の熱気に包まれていた。
「王女様ばんざーい!」
バルコニーから国民達に笑顔で手をふる新たな王女を、陰からにらみつける集団がいた。
「覚えていなさい」
熱気とは相容れない冷気に身を包んだ彼女は、低い声で呟く。
「一人残らず、首をはねてやる」
熱気に包まれた広場とは正反対の場所に位置する丘。そこにたてられた棒の先にくくりつけられているものを見つめ彼女は微笑む。
「お前の無念は必ずはらしてやってよ、レン」
ぽちっとおしていただけたら光栄です
はくしゅ
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