眠りにつく時に
最近、レンはあたしに背を向けて寝る。
手を繋いで、顔を寄せあって、おやすみと抱き合って。
そんなふうにして共に眠りについていたのは、いつまでだっただろう。
あたしがベッドに入った1時間後、こっそりベッドに入ってくるレン。
今夜もあたしは、離れた背中を横になって見ている。
レン……
布団にくるまれただけの私の体は、冷たくて。
ぬくもりが恋しくて、
遠い背中におずおずと手を伸ばした。
指先が触れたとたん、レンの体が震えた。
私の指から逃げるように、その体はベッドの端に移動する。
一番つらい瞬間。
明らかな拒絶。
悲しくて、心がはちきれそうになる。
逃げた背中を追いかけて、触れたらまた逃げられて。
そんなことをしているうちに、あたしたちの体はベッドの端の端に行き着く。
こうなったら、レンにはもう逃げ場がない。
それをいいことに、あたしはレンの背中にしがみつく。
いっそ振り払ってくれたらいいのに、レンは必要以上に動かない。
ただ、逃げるだけ。
あたしは追いたてて、無理に距離をつめて、パジャマを握りしめて。
こんなふうにしか、レンに触れないことが悲しくて。
今夜もあたしは嗚咽を噛み殺す。
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はくしゅ
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