眠りにつく時に Ⅱ
最近、リンはオレにすりよって寝る。
手を繋いで、顔を寄せあって、おやすみと抱き合って。
そんなふうになにも考えずに共に眠りについていたのは、いつまでだっただろう。
オレがベッドに入ったあと、すりよってくるリン。
今夜もオレは、気が狂いそうなぬくもりを感じている。
リン……
わざと向けた背中が、熱くて。
ぬくもりに理性を食いつぶされそうで、
背中のぬくもりから体を逃がす。
心を鬼にして離れると背中に小さな指先を感じた。
追いかけるように、その体は背中にはりついてくる。
一番つらい瞬間。
無意識の誘惑。
狂おしくて、理性が崩れそうになる。
背中のぬくもりから逃げて、触れられたらまた逃げて。
そんなことをしているうちに、オレたちの体はベッドの端の端に行き着く。
こうなったら、オレにはもう逃げ場がない。
崩れかけの理性に大砲をうちこんでくるようにリンがオレの背中にしがみつく。
いっそ振り払えたら、どれだけ楽だろうと思っても、そんなことできるわけがなくて。
ただ、逃げるしかできない。
背中の柔らかいぬくもりに邪な考えが浮かんで、欲望が頭をあげだして。
欠片になった最後の理性を握りしめて。
今夜もオレは眠れない夜を過ごす。
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はくしゅ
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