お風呂
風呂に入ろうと、脱衣場の扉をあけると、ほとんど全裸のリンがいた。
「……何、してるの」
答えは決まっているのに、思わずそう聞いてしまった。
「お風呂……入ろうとしてるよ?」
当たり前の答えに、頭をかく。
「いや、まあそうだろうけど……訂正。なんで鍵かけてないの?」
「……忘れてた?」
なぜか疑問系で答えられ、オレはこれ見よがしにため息をつく。
「カイ兄だったらどうすんだよ」
入ってきたのが、だ。
「頼むから、別になにも、とか答えるなよ」
オレの言葉にリンが固まった。
そんなリンに近づき、オレはむき出しの胸元に唇を寄せた。
白い肌をきつく吸い上げて、赤い跡を残す。
「オレ以外に見せるなよ」
ため息混じりにそう言い、体を反転させるとリンに服を掴まれた。
「どこ行くの?」
どこって、
「自分の部屋。リンが上がるの待ってるよ」
当たり前の、普通の行動だろう。なのに、リンの不服そうな顔はなんだろう。
「なに?」
聞くと、リンが可愛く首を傾げた。顔には小悪魔の微笑み。
「一緒に入ろ?」
ため息が出た。
まあ、いいけどさ。もう互いの裸を前に赤面する間じゃないし。
リンの額にキスを一つ落としてオレは言った。
「襲ってもいいなら」
一瞬きょとんとしてから、リンはへらっと笑った。
「やったぁ」
スルーされたことに苦笑しつつ、オレはリンにまた一つキスをした。
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はくしゅ
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