お姫様だっこ
「レン、お姫様だっこして?」
ソファーの上に座り、両手を広げてねだってきたリンにレンは歩いていたそのままのポーズで固まった。
「……なんでいきなり」
「今日ミク姉がカイト兄にしてもらってたの!」
して? と首を傾げるリンを小悪魔め、と罵りつつレンの心臓は高鳴る。
「……すれば、いいの?」
「うんっ」
音符がつきそうな返事に、レンはため息を一つついた。持っていた楽譜を手近な机に置く。
座っているリンの膝の下と背に手を回した。
「わ~い」
リンがレンの首に手を回す。
すりよってくるリンの無防備さにもう一つため息をつくと、レンは腕に力を入れた。
あ、やば。
レンの顔が苦いものになる
重……
「ミク姉はそのままくるくる回してもらったりしてたのにな~」
リンがソファーの上でそう言った。その横でレンは自分の力のなさにうなだれていた。
「二年後にはくるくるでもなんでもやってやるよ!」
やけくそ気味にレンが叫ぶ。
リンの体はレンによって宙に浮いた。
浮いたが、結局浮いただけで、どこにも移動せず、数十秒で元の場所に戻った。
「……ありがと。でも随分先だね二年って」
「仕方ないだろ今はほとんど体格差ないんだから!」
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はくしゅ
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