答えなんか
「リン」
不意に後ろから声をかけられた。
振り返らなくても、誰だかわかる。
「なにレ、っ!!!!」
うなじに生暖かくて濡れた感触が触れた。
そのまま、べろりと顎のラインまでなぞられる。
振り返らなくてもわかる。
こんなことするのは、レンしかいない。
「ここ、廊下なんですけど」
「うん。そうだね」
廊下の真ん中で後ろから抱きしめられた私の抗議は全く相手にされなかった。
首のあたりを舐められ、腹のあたりを撫でられる。
「ちょ、っと」
手がどんどん上に上がっるのに焦ってレンの手を掴んだら、力を込めて抱きしめられた。
「しよ?」
なにを、と聞かなくても、答えがわかってしまうから、嫌だ。
「……なにいきなり盛ってるの」
「いいじゃん。そういう年頃なの」
掴まれてる手はそのままに、首すじを異様なほど舐められる。
「ね、部屋行こ?」
見れば、うっすらとレンは笑っていた。
ため息を一つつき、あたしはその唇にキスを一つ。
「答えなんか聞いてないくせに」
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はくしゅ
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